春は“始まり”の季節。多くの企業で新年度がスタートし、経営者にとっても組織を見直し、新しい目標に向かう絶好のタイミングです。ですが、バタバタと日常業務に追われてしまい、結局「いつも通り」で1年が終わる…という経験、ありませんか?今回は、新年度だからこそ始めたい“経営者としての習慣”に焦点を当て、経営力を高めるための実践的なヒントをお届けします。

目次
- 経営者が習慣化すべき「週1時間」
- 毎月の「振り返りミーティング」のすすめ
- 書くことで磨かれる「思考の習慣」
- 経営数字との“定期対話”をルーティーンに
- 習慣化のコツは“仕組み”にあり
1. 経営者が習慣化すべき「週1時間」
忙しい経営者にとって「時間」は最も貴重な資源です。だからこそ、あえて「週に1時間」、経営の“本質”を考える時間をスケジュールに入れることが大切です。この1時間で何をするか。それは「現状の棚卸し」と「未来の構想」です。
たとえば、現在抱えている課題や気になる動き、社員の変化、顧客の声などを整理する。メモでもPCでも構いません。そして、それらを踏まえて「次に打つべき手」を1つ考えるのです。
この週1時間を“自分との定例会議”と位置付けましょう。予定に入れて、必ずひとりで静かに向き合う時間をつくる。多くの成功している中小企業経営者が実践している「静かな戦略の時間」こそ、ブレない経営を支える習慣です。
2. 毎月の「振り返りミーティング」のすすめ
経営は“走りながら修正する”もの。だからこそ、月に1回は「立ち止まって振り返る」習慣が必要です。特に、社員とのミーティングを「振り返りベース」にすると、現場と経営がかみ合いやすくなります。
形式ばった会議ではなく、以下の3点に絞ると有効です。
- 今月うまくいったこと
- うまくいかなかったこと
- 来月やること
このサイクルを毎月繰り返すことで、社員の“考える力”と“目標に向かう意識”が育ちます。また、数ヶ月経つと「自分で改善案を出せる社員」が出てきます。これは、経営にとって大きな財産です。
会議の資料づくりに時間をかけるより、「対話の質」にこだわることがポイント。全員発言・一人一言ルールなど、工夫次第で現場が変わるきっかけになります。
3. 書くことで磨かれる「思考の習慣」
経営者は日々、多くの判断を迫られます。その判断力を高めるために有効なのが「書く習慣」です。ここで言う「書く」とは、日報や手帳ではなく、経営者自身が思っていること・考えていることを“見える化”することです。
たとえば、週1回「社内向けの経営コラム」を書く。あるいは、社員に向けて「今、社長が感じていること」をメールで送る。これを続けると、自分の思考が整理され、言語化スキルが磨かれていきます。
また、書いた内容が社内の共感を呼び、企業文化の土壌にもなります。言葉にすることで、理念や方針が社員に伝わりやすくなり、“組織の軸”が生まれます。
4. 経営数字との“定期対話”をルーティーンに
数字に強い経営者は、実は“定期的に数字と会話している”人です。つまり、決算書や月次試算表を見るだけでなく、「この数字は何を意味しているのか?」を考える習慣があるのです。
おすすめは、月1回「財務データを眺めながら、自分に3つ質問する」こと。
- 今月の売上はなぜこの数字だったのか?
- コストは想定通りか?要因は?
- 来月はどの数字に注目すべきか?
また、顧問税理士やパートナー(中小企業診断士など)と「数字に関する作戦会議」を持つことも効果的です。数字は感情を排除してくれるので、判断がブレにくくなります。
5. 習慣化のコツは“仕組み”にあり
「習慣にしよう」と思っても、意志だけでは継続しづらいもの。だからこそ、“仕組み化”が鍵です。
例えば、
- スケジュール帳に毎週の“考える時間”を固定でブロックする
- 月初の第一営業日に、社内振り返りミーティングを自動開催にする
- 月末の特定日に、数字レビュー会を税理士と予定する
- 朝礼や週報に「気づき・感謝・学び」など、簡易記述欄を設ける
このように、カレンダーやフォーマット、役割に“習慣を組み込む”と、無理なく続きます。行動が習慣になり、習慣が文化になる。それが「強い経営体質」をつくる一歩です。
まとめ
新年度は「変化を始めるのに最も適した時期」です。気持ちも環境も切り替わりやすい今こそ、新しい経営習慣を取り入れる絶好のチャンスです。
今回ご紹介した
- 週1時間の“思考の時間”
- 月1回の“振り返りミーティング”
- 書いて伝える“思考の習慣”
- 経営数字との“対話習慣”
- 習慣を継続させる“仕組み化”
これらはすべて、**「忙しくても、小さく、でも着実に経営を強くする工夫」**です。いきなり全部やる必要はありません。まずは、1つでも取り入れてみてください。そして、それを継続すること。
継続は力なり。力は文化になり、文化は業績に変わります。新年度、経営者としての“習慣”から、会社の未来をデザインしてみませんか?
次回のテーマは「売上目標を現場に浸透させる方法」を予定しています。