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「会議が長い割に何も決まらない」「誰が何をするのかが曖昧なまま終わる」――そんな会議、あなたの会社にもありませんか?その原因の多くは“議事録”の取り方にあります。

実は、議事録は単なる記録ではなく、“会議を動かす仕組み”なのです。議事録をうまく活用すれば、無駄な会話が減り、意思決定が速くなり、会議そのものが短く効率的になります。

今回は、「会議を短く、スムーズに、実りある時間に変える」ための議事録の極意を、5つのステップに分けてご紹介します。


目次

  1. なぜ議事録が会議を短くするのか
  2. 会議が短くなる議事録の極意①:事前に“ひな形”を用意する
  3. 会議が短くなる議事録の極意②:“結論ファースト”で書き残す
  4. 会議が短くなる議事録の極意③:“誰が・何を・いつまでに”を明記
  5. 会議が短くなる議事録の極意④:共有・振り返りの仕組みをつくる

1. なぜ議事録が会議を短くするのか

議事録が会議を短くする――これは一見すると矛盾しているように思えるかもしれません。しかし、議事録をうまく活用している会社では、「会議のゴールが明確」「論点が整理される」「発言の責任がはっきりする」ため、結果として会議がコンパクトにまとまります。

逆に、議事録が曖昧なままだと、
「あの件って誰がやるんだっけ?」
「それ、決まってたっけ?」
「前回の話、どうなってた?」

といった“会議のやり直し”が発生し、無駄が積み重なっていきます。議事録は会議の“記録”というより、“次に進めるための設計図”です。この設計図が整っていれば、会議は最短距離で進められるようになります。


2. 会議が短くなる議事録の極意①:事前に“ひな形”を用意する

会議のスムーズな進行には、「準備」が9割です。そして議事録においても、“ひな形”の存在が大きな力を発揮します。

ひな形とは、あらかじめ決まった書式のこと。たとえば次のようなフォーマットを用意しておくと、会議の流れが自然と整理されていきます。

・会議名/日時/参加者
・議題一覧
・各議題に対する結論・決定事項・アクション項目
・宿題・保留事項
・次回への持ち越しテーマ

このひな形を事前に議題とともに共有しておけば、参加者の頭の中も整理され、「何を話すべきか」「どこに結論が必要か」が明確になります。結果、会議そのものの時間も短縮されるのです。


3. 会議が短くなる議事録の極意②:“結論ファースト”で書き残す

議事録でありがちなのが、「話し合った順番にダラダラと記録されている」ケースです。これでは後から読み返しても要点がつかめず、活用できません。

効率的な議事録にするには、“結論ファースト”でまとめることが重要です。つまり、まずは「何が決まったか」を最初に書き、次に「その理由や背景」「補足情報」を簡潔に記録するスタイルです。

たとえば、
【議題①:新商品キャンペーンの開始時期について】
・結論:5月20日スタートで決定
・理由:競合が6月に動くため、先行優位を取るため
・補足:在庫確保と販促チラシの準備は5月10日までに完了させる

このように書くことで、内容が瞬時に把握でき、関係者がすぐに動ける情報になります。ダラダラとした“議事録風メモ”ではなく、“指示と行動につながる記録”に変えることがポイントです。


4. 会議が短くなる議事録の極意③:“誰が・何を・いつまでに”を明記

決まったことがあっても、「誰がやるか」「いつまでにやるか」が抜け落ちていると、次回の会議でまた同じ話を繰り返すことになります。これが“会議の堂々巡り”の原因です。

会議を短く、意味あるものにするには、議事録に“アクションの三要素”を必ず明記することが重要です。

  1. 誰が(担当者)
  2. 何を(具体的なタスク)
  3. いつまでに(期限)

これを明確にしておくだけで、次回の会議は「進捗確認→次のアクション決定」のシンプルな流れになります。さらに一歩進めるなら、議事録の担当者だけでなく、「進捗フォローする人」も決めておくと、責任の所在が明確になり、スムーズに業務が進みます。


5. 会議が短くなる議事録の極意④:共有・振り返りの仕組みをつくる

どんなに良い議事録を作っても、「見られない・活かされない」ままでは意味がありません。そこで、議事録の共有と振り返りの“習慣化”が欠かせません。

共有の方法はシンプルでOKです。たとえば、
・会議終了後、24時間以内に共有(スピード重視)
・Googleドキュメントや社内チャットにリンクで保存
・チームミーティングの冒頭で“前回の振り返り”を1分行う

この3つを回すだけで、「議事録は見られる前提」「次の行動につながる資料」という共通認識が生まれます。特に、会議冒頭で前回の記録を簡単におさらいするだけで、チームの目的意識と記憶が蘇り、ムダなやりとりが激減します。


まとめ

議事録は、ただの“会議の記録”ではありません。
会議の進行をスマートにする、論点を明確にする、決定事項の実行を後押しするという、組織を動かすための“仕組みの一部”です。

会議を短くするには、事前のひな形、結論ファースト、アクションの明示、そして継続的な共有。この4つを意識して議事録を運用するだけで、会議は驚くほどスピーディーかつ成果の出る時間へと変わります。

今日からぜひ、“議事録改革”を始めてみてください。

次回のテーマは「属人化を防ぐマニュアル整備術」を予定しています。